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2009年 09月 15日

中判の威力

中判の威力_d0025831_3173819.jpg


少し前の話ですが、中判カメラを中古で購入しました。もちろんフィルムの方。
なぜ、「もちろんフィルム」なのかというと、これだけデジタルカメラが氾濫していても、中判サイズのイメージセンサーを作るのは難しいらしいから。素子間のばらつきが大きいからなのか、民生向けに販売しても利幅が小さいせいなのか。
中判カメラ用のデジタルバックも一応販売されてはいるものの、国産高級車が買えるぐらいのお値段。カメラのボディとレンズをあわせたら一体いくらになるんだ、というぐらいのお値段です。

中判デジタルカメラは今のところスタジオなどで使う業務用の位置づけのようです。あまりの高額なためか、業務用途向けにレンタルサービスがあるぐらいで。たまに個人で使われてる方もいますが、今のところは民生向けという位置づけではないようで。このあたりは昔のフルハイビジョンのカムコーダと同じような感覚だ。

購入したのは、富士フイルムGA645Wiの中古。中判のコンパクトカメラとして販売されたカメラ、GA645iの広角版だったと思う。35mm判換算で28mm相当の画角(だったと思う)を持つ。発売されたときはまだ高校生か中学生だったはず。発売時は結構な値段だったはずだ。

で、今頃になって買ってみたはいいものの、このところデジタルカメラの利便性にどっぷりとつかってきたわけで、つまり出番がなかった。それで、使おうということで3月あたりにフィルムを入れてみた。温度管理をすることもなく、9月になるまでカラーリバーサルフィルムを入れっぱなしになってしまった。というか、このカメラにフィルムが入っていることさえ忘れていた。
フィルムは生ものといわれるが、リバーサルフィルムは温度管理が必要で、冷蔵庫の中で保管するようなちょっと繊細なフィルム。それを半年以上もカメラの中に入れっぱなしになってしまった。テストのつもりだったとはいえ、ごめんなさい富士フイルム。

で、とりあえず気を取り直して現像に出してみて、ライトボックスで見たスライドがすごかった。さすがは中判である。久しぶりに見た中判のスライドのその画面の広さとなによりも繊細なグラデーションの表現に感嘆した。正直なところこのスライドを見ると、最近ご無沙汰になっている35mm判フィルムを使う気がなくなってきた。


久しぶりに見たスライドで一つ気付いたことがあった。
35mm判のスライドを見ると、どうしてもその画面が気に入らないことが多かった。これは長年、画面が小さいことが原因だと考えていたが、どうもそうではないようだ。
GA645ではその名の通り、645フォーマットなのだが、これは画面のサイズがほぼ6cm×4.5cmとなるからだが、645では画面の比率は4:3となる。
一方で、35mm判フィルムでは画面はおよそ35mm×24mmであり、画面の比率は3:2となる。この比率はデジタル一眼レフでも受け継がれており、フルサイズは当然ながらAPS-C相当のカメラも同じ比率だったはず。
この2つの異なる比率の画面を見比べると、どうも645フォーマットの画面の方がしっくりくるような気がしてきた。個人の好みの問題なのだろうが、画面が安定しているというか、なぜかしっくりくる。
単純に画面の大きさに圧倒されているとか、スリーブで見たときに645が縦画面に対して35mm判は横向きになる違いなどの影響かもしれないが。

もう一つ。
デジタルカメラ最大のメリットの一つはインターネット媒体との親和性だと思う。自宅のパソコンで楽しむことももちろんだが、不特定多数への公開なり親しい友人との共有なり、それはとても簡単なことになった。それはある意味で写真メディアのあるべき姿なのかもしれない。
しかし、自分で楽しむだけなら、デジタルカメラのようなパソコンとの親和性を持つメディアを使わなくてもいいかな、とも、このところ考えるようになった。

もちろんデジタルカメラのインターネットとの親和性にはものすごく大きな価値があるし、すぐ確認できるとか、ランニングコストが安い(イニシャルコストは高いけど)とかその他にも利点がある。だからデジタルカメラはそれこそ民生向け販売の始まった初期の頃から使ってるし、新製品も欠かさずチェックしているわけだが、このところそれほどデジタルでなくてもいいかなとも思えてきた。

長らくほったらかしにしておいたスライドを見て、中判フイルムの価値が自分の中で急激に上昇したことで、新しい発見というか多様性が見られた気がした。

同時に、中判カメラの位置が僕の中で急激に上昇。すぐさま645の一眼レフの中古価格をチェック!、してみたものの、さすがに645の一眼レフを使おうと思うような根性はないようで。なんと言っても、重くてかさばるしなあ。
35mm判の一眼レフでも結構かさばるのに、これプラス中判はちょっと無理、というかもはや無謀と言えるレベルであろう。
とはいえ急激に地位が上昇した中判カメラ、しばらく積極的に使ってみたい。

by coffeehot | 2009-09-15 03:50 | カメラ


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